
・何か資格を取得して働きたい
・医療に関わる資格がいろいろあるけど、なにがいいのか分からない
・医師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師は想像つくけど臨床工学技士ってなに?

臨床工学技士となったパン治郎がこれらについて説明しよう!
この記事はこれから資格を取得して働きたい方や、医療現場で働きたい方に向けた記事です。
それぞれの仕事についてのざっくりとした説明と、臨床工学技士について説明します。
目次
資格の種類
日本の資格には、主に「国家資格」「公的資格」「民間資格」の3つがあります。
いずれの資格も、個人の知識と技能が試験によって試されることや、試験の合格とともに自分の能力を証明できることなどが共通点です。
国家資格
国家資格とは、国の法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格で、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明されるものとされます。
例:医師、美容師、気象予報士など

親が資格でも取って働きなさいっていう場合は大抵このレベルの事。
学校卒業など、受験に条件などがあったり、難しいものがいっぱい。
簡単に取得できるものとしては運転免許などがある。
公的資格
公的資格とは国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格です。
何らかの理由により公的性質を帯びている国家資格以外の資格を言います。
例:ふぐ調理師、准看護師、日本漢字能力検定など

簡単なものから難しいものまで幅広くある。
民間資格
民間資格とは、民間団体や企業、個人等が、独自の審査基準を設けて任意で認定する資格を言います。 法令で規定されたものではないため、業界や企業によっては国家資格や公的資格と同様に知識や技能があるものとして広く認知されている資格から、社会的な評価のほとんどないものや、さまざまなものが存在しますが、中には直接職業に結びつく資格もあり、認知されている信用度や価値のレベルが高い資格ほど取得が困難になります。
例:食生活アドバイザー、医療事務実務士、家電製品アドバイザーなど

高レベルなベンダー系資格から謎の資格まで幅広い。
入浴検定とかペットロス検定とかなにそれ?w
医療系の国家資格は「自ら患者を治療できる資格」「医師の補助をする資格」「治療に必要な機器の調整・製作を担う人」というように、資格ごとに担当できる分野が大きく異なります。
医療に関わる資格の種類
医師
患者さんの病気を治療・予防やリハビリテーションに当たる臨床医と病気を研究する研究医とに大別される。
臨床医はさらに、病院や診療所に勤める勤務医と、医院や診療所を自分で経営する開業医に分かれている。
研究医は大学病院などで患者の治療に当たりながら研究活動を行う。
介護老人保健施設、教育・研究機関や保健所などの衛生行政、保健衛生業務などにも従事している。

勤務先によって給与の幅があり、肉体的にも精神的にもかなりハードな場合がほとんど。
歯科関連(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士)
歯科関連の国家資格に該当するのが、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士です。
いずれも歯科治療に携わる資格ではありますが、それぞれ担当できる業務が大きく異なります。
・歯科医師
虫歯の治療や歯並びの矯正、抜糸といった外科的な治療を主に行なう職種です。

子供にとって怖がられる仕事の一つ
・歯科衛生士
主に歯科医師の診察の補助を行ないます。混同されがちな歯科助手との大きな違いは、歯石の除去やフッ化物の塗布といった医療行為が行なえる点。

思春期の男の子をドキドキさせてる優しいお姉さん
・歯科技工士
歯科医師の指示のもと、歯科治療に必要な器具を作成する仕事です。作成物の具体例は、歯にかぶせるクラウン、入れ歯、部分入れ歯、マウスガードなどですが、どれも患者の口にぴったり合うように作らなければならないため、手先の器用さと根気強さが求められます。高齢化が進む現代において、さらなる需要の高まりが予想されている職種となります。
看護関連(看護師、助産師、保健師)
看護関連の国家資格としては、看護師、助産師、保健師が挙げられます。
看護関連の資格は就職・再就職に役立つことから、人気は高い仕事となります。
各資格の特色を見てみましょう。
・看護師
医師の診察の補助や、療養中の患者の介助を通して、チーム医療に貢献する仕事です。

慢性的な人材不足な仕事。理想と現実のギャップはかなり大きい。
・助産師
妊産婦の産前産後を支える仕事。妊娠の健康管理や分娩の介助、出産後の母乳指導などを通して、母子の健康を支援します。
・保健師
学校や保健センターなどにて、地域の人々の健康維持に貢献する仕事。けがや病気をしない暮らし方を提案する保健指導や、定期的な健康診断の実施などが主な職務となります。
リハビリ関連(理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士)
リハビリ関連の国家資格には、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士があります。これら4種の国家資格の共通点は、人々の日常生活に欠かせない身体機能の改善を目指す職種であることです。

リハビリ関連の職種の人たちは全体的に仕事に対して意識が高い印象。それ故に考え方がぶつかり合ったり無かったり・・・
・理学療法士
立ち上がる、起き上がる、歩く、寝返るなど、基本となる体の動作のリハビリテーションを行います。例えば、平行棒を使っての歩行訓練、ベッドから起き上がる動作の訓練などのリハビリテーションがあげられます。
・作業療法士
日常生活をスムーズに送るための応用的動作のリハビリテーションを行います。ここで言う応用動作とは「食事をする」「顔を洗う」「料理をする」「字を書く」等の生活する上で必要不可欠な動作の事を指します。
また、作業療法士ならではの特徴として、精神分野のリハビリテーションを行うという事があり、精神科の病院などで活躍する作業療法士もいます。
・視能訓練士
視力や視野などの視能を検査し、両眼視機能に障害がある人に対して回復のための矯正訓練を行い、正常な視能へと導く。
・言語聴覚士
言語や聴覚、音声、認知、発達、摂食・嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行います。
医療技術関連(臨床工学技士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師)
・臨床工学技士
医療機関で心臓・肺・腎臓などが悪い患者さんの生命を維持管理する装置を医師の指示のもと操作して治療のサポートするほか、院内にある医療機器が安全に正しく使用できるように保守点検を行うなどの業務を担っています。

医療機器のプロフェッショナルと言われるが、実際そうでもないよ。
・義肢装具士
手や脚の役割を果たす「義肢」と身体をサポートする「装具」をつくり、患者さんの体にあわせた「適合」をおこないます。近年、パラリンピックの認知度拡大にともない、アスリートの義手や義足を製作する義肢装具士の職種も一般に知られるようになりました。
・診療放射線技師
放射線を使う検査や治療を行う。CTやMRI等の画像検査や心筋梗塞、脳血管障害等における血管内治療、がんに対する放射線治療等を担当する。近年は、乳がん検診やマンモグラフィ検査(乳房X線検査)など、女性に対する検査ニーズが高まっているため、女性技師の需要が多くなっている。

放射線めっちゃ浴びるから危険って思われてるけど、実はそうでもない。放射線物理学とかに抵抗がなければ医療系資格で一番おすすめ。
・臨床検査技師
身体の構造や機能(心電図検査、心音図検査、脳波検査、筋電図検査、基礎代謝検査、呼吸機能検査、脈波検査、熱画像検査、眼振電図検査、重心動揺計検査など)に関する様々な生理情報を調べる専門家です。

同僚が新卒は就職先少ないからオススメできないと。大学院に進学して研究方面に進む人が増えているらしい。
鍼灸・柔整関連(はり師、きゅう師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師)

アラフォーともなると体のあちこちが痛くなるから最近ずっとお世話になってばかり。
・はり師、きゅう師
鍼または灸を使った刺激で自然治癒力を高め、病気の改善や予防、健康回復を行う医療技術職。はり師ときゅう師は別々の資格だが、両方の施術を行う人が多いため鍼灸師と呼ばれている。副作用が少ない施術法として、赤ちゃんから高齢者、トップアスリートや妊婦さんまで高いニーズがあるほか、リラクセーションや美容・介護分野などでも活躍。
・柔道整復師
「接骨院・整骨院の先生」として知られる職業。「ほねつぎ」と呼ばれることも。主に捻挫や打撲、骨折、脱臼などのケガを治す。骨折や脱臼を手術することなく元に戻したり、包帯固定やテーピングを行ったりして治療する。
・あん摩マッサージ指圧師
あん摩、マッサージ、指圧の技術を用いて患者さんの身体に起こる変調を緩和するお仕事です。施術の特徴としては、東洋医学の知識を基礎として器具を使用せず、問診や検査法で患者さんの身体の不調の原因を特定し「なでる」「揉む」「押す」「さする」などの動作を直接患者さんの身体に行うことで血行を改善し、不調を和らげます。
救命救急関連(救急救命士)
「救急救命士」は、救命医療現場の最前線で活躍する医療技術者です。119通報に応じて現場に駆け付けたのち、傷病者に適切な応急処置を行ないながら、すみやかに医療機関に搬送することが主な職務となります。
救命救急士は医師ではありませんが、医師の指示のもとであれば特定の医療行為が認められている点が大きな特徴。
薬学関連(薬剤師)
薬剤師は、医薬品全般について、幅広い知識を持つ「薬」の専門家です。
薬局や医療機関(病院)で処方せんに基づく調剤や患者への服薬説明を行うほか、医療用医薬品から一般用医薬品まで、すべての薬を販売したり、相談にのることができます。
臨床工学技士とは
パン治郎が従事している臨床工学技士について説明するよ!
日本臨床工学技士会で紹介されている臨床工学技士についてはこちらから
https://www.ja-ces.or.jp/for-general-public/about_ce/
臨床工学技士の業務についてはこちらから
https://www.ja-ces.or.jp/for-general-public/business/
仕事内容
・呼吸治療業務
呼吸器系の機能が弱まったり働かなくなり、自分で呼吸をする事が難しくなった患者さんの呼吸を代行するために人工呼吸器という装置が装着されます。その際、臨床工学技士は装置が安全に使用されている事や、異常がないことをなどを確認します。

病院内だけではなく、在宅で人工呼吸器を必要としている患者さんのところに行ったりする場合もあるよ。
・集中治療業務
集中治療室では手術後の患者さんや、身体の様々な機能が急に悪くなり、命にかかわっている患者さんを収容して集中的に治療を行います。臨床工学技士は人工呼吸器や持続的血液浄化(急性腎不全等)、ECMOなど生命維持管理装置の操作や管理を行います。

看護師は装置のチェックはするけど、異常時は臨床工学技士に頼る事が多いよ。
・血液浄化業務
腎不全により体内に溜まった老廃物などを排泄したり代謝する機能が働かなくなった場合に行う治療として装置を使用して血液を浄化する治療を行います。

臨床工学技士は血液浄化業務を行う際は患者さんに対して穿刺(針刺し)をする事ができるよ。
・手術室業務
心臓手術の際、心臓や肺に代わる働きをする体外循環装置を操作・管理します。
また手術室には医療機器が多数存在する。手術の内容により使用される機器は多種多様なであり、手術が円滑に出来るよう医療機器の操作や管理もしています。

最近では内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチ)など新しい機器も登場し、手術室での臨床工学技士の仕事は増加していくと思うよ。
・心血管カテーテル業務/ペースメーカ
心臓の検査や治療をカテーテルと呼ばれる細いワイヤーを、血管の中に入れる治療で、臨床工学技士は検査一連の記録をするための装置などの操作を行います。緊急時にはペースメーカーや補助循環装置などを操作をしたりします。

診療放射線技師の方と協力体制で行ってるよ。
・高気圧酸素業務
装置内を高い気圧の環境にして酸素を吸入させると、血液中の酸素の量が増え、様々な疾患の治療に用いられる高気圧酸素療法があります。

酸素カプセルとは違うよ。
・医療機器管理業務
病院では様々な医療機器があり、それらが安全に使用でき、性能が維持できるように保守・点検を行います。例えば、点滴をする時に使う輸液ポンプと呼ばれる機器なども臨床工学技士が点検をしています。

大きい病院になればなるほど点検する機器が数百台、数千台にも及ぶ・・・ヒィ
独占業務について

実は病院には臨床工学技士はいてもいなくてもいいのだ。
業として行うことが独占できる資格です。
医師…医業(診療行為)、死亡診断書作成
歯科医師…歯科医業
薬剤師…調剤業務
看護師…医師の診療補助業務と患者の療養上の世話
診療放射線技師…診療時の放射線照射
この他の医療系国家資格に独占業務はありません。
なぜ臨床工学技士っていう仕事があるのか?
医療機器の点検やメンテナンスを医師や看護師がしても全く問題はありません。
しかし、普段の業務以外にそれらをする時間もない、人もいないのです。
じゃあ医療機器を取り扱う専門の資格を作ってしまおうという事で生まれた資格です。
まとめ
臨床工学技士は国に認められた国家資格で、他の職種が時間も、人もいなくて出来ない仕事をやっている職種です!
病院の隙間産業的存在。(これから増える仕事はどんどん回ってくるかもしれない)
この資格ができてから30年以上経っていますが、未だに認知度は低いです。
臨床工学技士を配置している病院は50%にも満たない為、就職先はいっぱいあるとも言える。(診療報酬で関わる部分殆ど無いから経営側からしたら・・・)
もしこれからなりたい仕事や進学先に迷ったのであれば臨床工学技士という選択肢はどうでしょう?
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